障がいのある人への配慮など

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重症心身障がいについて

 重症心身障がいとは、重度の肢体不自由と重度の知的障がいが重複した状態のことをいいます。「重症心身障がい」という名称は、医学的診断名ではなく、児童福祉法上の措置を行うための定義(呼び方)です。
この定義に該当する児童を重症心身障がい児といい、成人した重症心身障がい児を含めて重症心身障がい児(者)といいます。
重症心身障がい児(者)は、呼吸、体温維持、摂食などの身体の基本的な機能の維持やコミュニケーション能力に障がいを有する場合が多くあります。
また、基本的に障がいの発症時は小児であり、体の機能は発達する一方、早期に機能が低下する可能性もあり、また合併症を起こすこともあります。合併症は時には重症化するなど、命にかかわる状態となることもあります。
なお、合併症の組み合わせや、運動障がい・知的障がいの程度、医療的ケア(*)の種類・難易度には幅があり、個人差があります。

重症心身障がいの特性

姿勢 座位を保てず自力では起き上がれない状態が多い。
移動 自力では困難、座位での移動、車いすなど。
排泄 全介助(知らせることができない・始末不可)など。
食事 自力ではできない(スプーンで介助)。誤嚥(食物が気管に入ってしまうこと)を起こしやすい。食形態=きざみ食、流動食の人もいる。
変形・拘縮 手、足が変形または拘縮、側わんや胸郭の変形を伴う人が多い。
筋緊張 極度に筋肉が禁張し、思うように手足を動かすことができない人が多い。
コミュニケーション 言語による理解・意思伝達が困難。表現力が弱い人が多い。
健康 肺炎・気管支炎を起こしやすく、てんかん発作を起こす人も多いため、 いつも健康が脅かされている。また、たんの吸引が必要な人も多い。

こんなことに困っています

  • 意思は口の動きや目の動きで表現できる人もいますが、常時介護している人でないと理解しにくいです。
  • 免疫力が低下している人が多いので、かぜや感染症でも体調を崩してしまいます。
  • 体温調整が困難な人が多く、細やかな衣服の調整が必要です。

こんな配慮をお願いします

  • 疾患・障がいの程度には個人差があります。
  • 支援者が一緒にいても、必ず本人の意思を確認し、本人の主体性を支援しましょう。
  • コミュニケーション方法は人によって異なるため、言葉だけでなく絵や写真などを併せて提示するなど、様々な方法を試して、その人にあった方法を見つけましょう。

もっと詳しく

超重症児(者)

 常に医学的管理下に置かなければ、栄養摂取や呼吸も困難な状態になり、経管栄養や気管切開、人工呼吸器を使用して在宅や施設等で生活しています。

呼吸管理 レスピレーター(人工呼吸器) 装着、気管内挿管(気管に酸素を送る管を入れる)、気管切開(カニューレ設置)などの呼吸管理を要する。
栄養摂取 中心静脈栄養(口から栄養摂取できない場合に、静脈などから点滴投与する)、経管・経口による栄養補給を要する。

*超重症児者判定スコアで、25以上を超重症児者、10~24を準超重症児者とされている。

医療的ケア児

  人工呼吸器を装着している障がい児や、その他の日常生活を営むために医療を要する状態にある障がい児をいいます。
(※)「医療的ケア」とは
法律上に定義されている概念ではありませんが、一般的に在宅等で日常的に行われている、たんの吸引・経管栄養・気管切開部の衛生管理等の医行為を指します。

医行為:
医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、または危害を及ぼすおそれのある行為。実地研修の修了した介護福祉士及び一定の研修を受けた介護職員等は、一定の条件の下に特定の行為(①口腔内の喀痰吸引、②鼻腔内の喀痰吸引、③気管カニューレ内の喀痰吸引、④胃ろう又は腸ろうによる経管栄養、⑤経鼻経管栄養)を実施することができます。